日本拳法とは

日本拳法の誕生
東洋には、古くから諸派の拳法が伝わっている。いずれもみな長い道統を有するが形(型)の拳法である。だが、私が昭和7年に創始したこの日本拳法は乱(らん)の拳法であった。防具を創案し、それを着装して、お互いに自由に撃ち合って、拳の法を修めるものである。
初めてこの世に生まれた乱の拳法には、もとより師家もなければ、道統もなかった。われわれの修行と研究は、いわば、人跡未踏の大陸を探求するようなものであった。
日本拳法の概要と特徴
日本拳法は、素手の格技である。その技術構成は、拳の突打、足の蹴りなどの博技(うちわざ)と、組みついた場合の投技、関節の逆技などの諸技とを総合したものである。人間の最も本来的な格闘技術である。
その特徴は、突打蹴の博技に対して、創案の防具を着装して、安全に、かつ自由に撃ち合って稽古をすることである。この稽古法を乱(らん)稽古といって、練技の主流とし、また、この様式によって、いままでできなかった試合を可能にした。